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頑丈な鉄の扉

 ぐるっと回って教会堂の正面までたどり着いても、午後のシエステにあたると、入り口は頑丈な鉄の扉で閉じられている。書き付けの紙が無愛想に貼られているだけだ。スペイン語を読めなくても、「4」という数字が見えれば、開くのは4時からだ、と容易に想像がつくだろう。

 ……私は
 時計を持ち歩かないので正確な時刻はわからなかったが、あと一時間もすれば開くに違いない、と思った。時計を持ち歩かない生活を長く続けていると、かえって時間に敏感になり待ち合わせに遅れたりすることはない。周りを見渡しても誰もいない。フウッっとため息をつくと急に空腹感を覚えた。

 教会堂を背に、来た道とは反対側に坂を下りていくと、質素な人家が道の両側に密集した界隈に出た。とはいえ商店街らしきものはない。何軒か食堂やら雑貨店があったが、午後はシエステの時間帯である。結局、食事は後回しにし町を歩いてみることにした。

 人影はほとんどなく、時折り自家用車やバスが通りかかると速度をゆるめ何かいいたげにして走り去るくらいだった。そうこうしているうちに瞬く間に時間は過ぎていった。

 城門のように頑丈な鉄の扉は昔の名残りなのかもしれない。