|
これが完成予想図である。 実際とはかなり違う。この絵はガウディが描いた貴重なものだが、なんとも無造作に陳列されている。 この教会堂の建築が始まったのは1898年。ガウディがサグラダ・ファミリアに着手して十五年目である。それから没するまでの二十五年間、斬新な設計をサグラダ・ファミリアに生かすことができたのは、この地下教会での「フニクラ(逆さ吊り実験の曲線)」の検証が大きい。 大聖堂を観たあとでこの教会堂を訪れるといい。ガウディが追い求めた手法の数々が教会堂のあちこちに発見できるからだ。ガウディのハンブルな側面がこれほどストレートに棲みついたままの空間はない。 想像力を掻き立て時間を置き去りにする何かがこの教会堂には棲んでいる。 コロニア・グエルとはグエル地域の居住区という意味だ。教会は礼拝の場であり、結婚式場であり、遊び場であり、社交の場として現在もこの地域の人たちのために使われている。 (1999年12月30日) |